教育心理学と聞くと、勉強や学校をイメージする方が多いかもしれません。
教育心理学の定義としては、「教育をより幅広く人間形成に関する原理と方法」としています。
そして、この「人間形成に関する原理と方法」を研究対象とするのが、教育委心理学です。
歴史的には、教育心理学は基礎心理学の知見を教育の領域に適用する応用分野として成立したので、応用心理学の1領域として位置づけられることが多かったという背景があります。
しかし、近年では、教育心理学の目的として理論的側面と実践的側面の両面が独自な内容を伴って存在していることから、応用心理学の1領域ではなく、独立した学問領域として見なす考え方が主流になってきました。
教育心理学の理論的側面とは、人と環境の相互作用という観点から人間形成(教育)という現象を説明することとされています。特に、環境のあり方と個人の変容との関連を解明することであるとしています。
ここでいう環境とは主に学校などの教育機関を指します。
一方、教育心理学の実践的側面とは、教育の問題を解決するために必要な知識や技術を体系化することであるとされています。
たとえば、授業についていけない児童への対応や、いじめなどの問題への対策などです。
教育心理学におけるこの2側面は、独立した目的として存在しているのではなく、この両側面を不可分のものと捉え、両者の統一を目的としています。
日本では、日本教育心理学会という学術団体があり、教育心理学に関する研究が盛んに実施されています。
2017年は10月に日本教育心理学会の年次大会が開催されます。
従来の教育心理学では、発達・教授・学習・パーソナリティ(人格)・適応・測定・評価が主な領域とされてきました。
しかし、近年では集団・人間関係や臨床・障害などに関する研究領域も重要視されるようになってきました。
また、教育心理学から派生した分野として、学校心理学というものがあります。
学校心理学とは、学校における児童・生徒の学習面と適応面に焦点を当て、学校教育場面において、心理学上の専門的な援助を行うための実践体系です。
主に学校カウンセラーや学校心理学者などの専門家が学校で行うカウンセリングやガイダンスあるいはコンサルテーションを行うための心理学的な知見が学校心理学なのです。
学校心理学では、児童・生徒の精神衛生や適応の問題に焦点を当てる一方で、学習上の問題にも焦点を当てています。
そのため、疾患の治療・支援を中心とした臨床心理学やカウンセリングなど焦点をよりも、広い領域での専門的な心理学的援助を目的としています。
また、教育心理学は統制された条件のもとで研究を実施し、その結果に基づいた対応策を構築していくことを目的としていますが、学校心理学では、学校の現実的な諸状況のもとで起こっている心理学的な諸問題について、直接的な解決を目的としています。
この点で、学校心理学は教育心理学より実際的かつ実践的な学問体系を志向しているのです。
具体的な学校心理学の内容は、主として下記の3分野から構成されています。
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この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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