コラム

12月生まれの心理学・カウンセリング・メンタルへルスの専門家 part3

2019.12.24 心理
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心理学・カウンセリング・メンタルケアの専門家には、12月生まれの著名な先生方がいます。
ノーム・チョムスキーは言語心理学の基礎理論を確立したことで有名です。

 

 

 

▶ノーム・チョムスキー

ノーム・チョムスキーは1928年12月7日生まれのアメリカの哲学者・言語学者・心理学者です。

 

チョムスキーの業績として有名なのは、何といっても生成文法を創始したことです。

 

生成文法とは、有限の規則により文法的な文の集合を生成する文法という意味になります。

 

文を「生成する」とは「定義する」という意味であり、いくつかのモデルとして、チョムスキーらによる「変形生成文法」やギャズダーらによる一般化句構造文法、ブレズナンらによる語彙機能文法などの種類があります。

 

言語学において、伝統文法とよばれる従来の文法は、文の実例を挙げて、それに注釈を加えることにより、読者の判断に頼って類似の文の文法性を類推させるというものでした。

 

それは、例えば「私は今日、仕事でニューヨークに出張する」という例文を提示し、これに対して「主語・いつ・どうして・どこで・動詞」という構造になっているということを説明し、この説明に基づいて、同じような文章を考えさせる、作文させるということになります。

 

しかし、生成文法は、明示的な規則や原理により、文法的な文と非文法的な文を原理的に区別しています。

 

生成文法の要件として、達成すべき記述能力と説明力というものが挙げられます。

 

まず、ある言語の語彙からなる任意の文字列について、文法が適格文かどうか定義できる場合、その文法は「観察的妥当性」を備えた文法であるということになります。

 

次に、ある言語の適格文を定義するだけではなく、それらの文に母語話者の直感に合致した音声や構造や意味関係を与えることができる場合、その文法は「記述的妥当性」を備えた文法ということになります。

 

さらに、可能な文法の集合を定義する言語理論が、十分な制約を備え、個別言語の文法として記述的妥当性をもつ文法を選択できる場合、その理論は「説明的妥当性」を備えているということになります。

 

また、生成文法では、中核部と周辺部の2つの要素から分が構成されるとしており、中核部は普遍文法の原理とパラメータ値の選択により決定されるとされています。

 

さらに、中核部には文の基本構造を規定する「X′理論」や要素の移動に関わる「移動変形」、格の決定に関する「格理論」などがあります。

 

 

一方で、周辺部は個別言語の特性に関わるものであるとされています。

 

チョムスキーは生成文法と合わせて、チョムスキー理論という言語に関する理論を構築したことでも有名です。

 

チョムスキー以前の構造主義的な言語学者は、言語は習慣や性行のシステムであり、子どもは白紙の状態で生まれてきて、両親を始めとする周りの人間からの言語的刺激により言語を習慣化させると考えていました。

 

これに対して、チョムスキーは、人間が言語を話し、理解できるのは、脳内に音と意味を結びつける計算システムである文法があるからであると考えました。

 

言語の文は無限であり、の容量は有限なので、この計算システムは有限の要素から無限の要素を作り出すメカニズムをもっていなくてはならないということになります。

 

また、成人の文法の規則は、非常に複雑ですが、子どもが触れる言語刺激は貧困であり、基本的に否定証拠を用いることはできません。

 

従って、文法の基本的な部分は経験によらず生得的(生まれつき)に決まっていなければならないということになります。

 

文法の生得的な部分は普遍文法とよばれ、これは同時に各個別言語の文法の差異を許容できる可変部をもっていなければならないとされます。

 

この可変部が経験によって決定され個別の言語ができていくというわけです。

 

チョムスキーは、言語に関する計算システムとしての文法は、人間という種としての生物学的性質の1つであり、生得的に備わっている心的器官であるとしており、言語学は生物学の一部であり、物理科学と同じ科学的方法により研究できるという考えを表明しています。

 

これらの考え方が、現在の言語学や言語心理学の基礎となっているのです。

 

 

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