建国記念日と心理学にはどのような関係があるのでしょうか。
日本には365日の全てに何らかの「記念日」が制定されています。
2月11日は「建国記念の日」に制定されています。
これは、1966年の「祝日法」改正により「建国をしのび、国を愛する心を養う」ことを趣旨とし、国民の祝日として制定されたものです。
2月11日は古事記や日本書紀で初代天皇とされる神武天皇が即位した日に由来しています。
では、建国記念の日と心理学にはどのような関係があるのでしょうか。
基本的に心理学は海外、特にヨーロッパやアメリカを期限としてスタートしているものであり、日本はそれらの知見を「輸入」するという立場にあります。
しかし、なかには日本由来の心理学・カウンセリング・メンタルヘルスに関する研究・実践があります。
本コラムでは引き続き「日本発」や「日本初」の心理学・カウンセリング・メンタルヘルスについて、解説していきたいと思います。
5月病という言葉を耳にしたことがある方は多いかと思います。
大まかにいえば、5月の初旬、ゴールデンウィーク明けごろにやる気や活力が低下し、勉強や仕事に身が入らなくなるような状態のことを指すものです。
「病」という字が当てられており、やる気などの精神面の問題があることから精神疾患の一種ではないかと思われる方もいるかもしれませんが、DSM等の診断マニュアルには「5月病」の項目は存在しません。
では、心理学的に「5月病」とは、いかなるものとして定義されているのでしょうか。
心理学において、5月病は大学入試による緊張が解消された5月連休明け頃から、抑うつや無気力状態の学生が増加することから名づけられたものとして知られています。
従って、基本的には5月病というのは「大学1年生に特有の精神状態」ということができるわけです。
また、5月病の英訳は「freshmen’s syndrome」となり、やはり「新入生に特有の症候群」という意味合いがあります。
5月病は環境的・日程的な要因が重なることで発症すると考えられます。
大きなストレ スの発生するものの、それは強制的に「ある時期」を境に無くなり、続いてすぐに 新たな環境への適応に関するストレスがやはり強制的に発生し、さらにまた強制的に「短 い休みと再始動」が起こるという流れになるわけです。
これらの状況は基本的に当事者(大学生)がコントロールするのが難しく、個人要因が差し挟まれる余地があまりありません。
5月病は非常に状況要因が強いものなのです。もし、日本にゴールデンウィークと いうものがなかったり、海外のように9月に新大学生活がスタートすることが多ければ、 5月病がこれほど認知されるものとはなっていないでしょうし、また「5月病」ではなく 「10月病」などのように異なる名称になっている可能性もあるわけです。
日本の心理学者である慶応義塾大学の渡辺茂先生・坂本淳子先生・脇田真清先生(1995年当時)は、学習心理学の実験において、ハトを訓練してピカソの絵とモネの絵を区別させることに成功しています。
ハトやラットなどの動物に新しい行動を獲得させることができるというのが、学習心理学の理論です。
エサを強化子とすることで、様々な行動の獲得が可能となるわけですが、般化や弁別という少し複雑な行動レパートリーも獲得することができます。
そして、渡辺先生たちが実施したのは学習心理学における弁別に関する訓練であり、ハトがエサを獲得するきっかけとなる刺激はボタンなどだけではなく、ピカソの絵とモネの絵でも可能であるということが判明しました。
厳密には、片方の絵が提示された際にはエサが提示され、もう片方の絵が提示された場合にはエサが提示されないという訓練を繰り返されたハトが、ピカソやモネの絵のタッチを学習したということになります。
この研究成果はユニークな取り組みとして、1995年のイグノーベル賞の心理学部門を受賞しています。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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