コラム

建設業DXと心理学の関係

2024.4.25 心理
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建設業DXと心理学には、どのような概念なのでしょうか。

 

【目次】

  1. 1.4月1日は「建設業DX推進の日」
  2. 2.建設業における労働災害志望者数
  3. 3.注目されるDX活用対策
  4. 4.熱中症危険度、別名「暑さ指数」とは
  5. 5.まとめ

 

1.4月1日は「建設業DX推進の日」

日本には365日の全てに何らかの「記念日」が制定されています。4月1日は「建設業DX推進の日」に制定されています。これは200141日に建設業法の改正・施行により「当該契約の相手方の承諾」を得た場合は工事請負契約書を電子化し、電子契約を結ぶことが可能になったことで、これが建設業界のDXの第一歩であるとされており、これがきっかけとなっています。ここでまず「DX」という言葉について解説しておきたいと思います。

 

DXとは「Digital Transformation」(デジタルトランスフォーメーション)の略語で、デジタル技術を活用して新しいビジネスモデルを創り出すことを指します。では、建設業DXと心理学には、どのような関係があるのでしょうか。

 

2.建設業における労働災害志望者数

建設業の分野においても、ストレスチェックや健康経営、従業員の健康管理に関する課題が存在しています。特に建設業では労働災害死亡者数が多いことが知られています。統計データでは基本的に年間約300名の建設作業に従事している方々が業務中に亡くなっており、毎就業日に1名以上が業務上の問題で死亡しているという状態になります。これは全産業における労働災害死亡者数の約30%を占めており、全産業中トップとなっています。

 

3.注目されるDX活用対策

そして、近年、注目を集めているのがDXを活用した建築作業現場の熱中症対策です。夏場の建築作業現場は熱中症が発生しやすい環境にあります。しかし、気温・湿度が下がった夜間に作業をすることは、視界の悪さ・昼夜逆転の生活・照明による電気代増加・近隣住民からの騒音に対する苦情などの様々な別の問題を発生させてしまいます。

 

心理学において、心拍変動解析に基づく自律神経状態の測定・評価の技術が確立されています。熱中症は自律神経に影響を及ぼすことが判明しており、特に何らかの症状が発生する前に自律神経に異常が生じることが分かっています。そこで、IoTやデバイスのセンシング技術を活用し、作業員の方々の個別の自律神経状態を測定・評価することで、熱中症になる前にアラート出し、予防対策を実施することができると考えられます。ただし、正確な熱中症アラートのためには、自律神経等のバイタルデータだけでは不十分です。

 

4.熱中症危険度、別名「暑さ指数」とは

そこで、合わせて重要となるのは、気温・湿度などの外部環境データです。熱中症には「熱中症危険度」という独自の指標が存在します。熱中症危険度は別名、「暑さ指数」(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)とよばれており、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで開発されたものです。熱中症危険度(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標であり、人体の熱収支に与える影響の大きい湿度・日射・輻射など周辺の熱環境と気温の3つを取り入れた指標です。より具体的には以下のような数式で算出することができます。

 

屋外の場合:WBGT = 0.×湿球温度+0.×黒球温度+0.×乾球温度

屋内の場合:WBGT = 0.×湿球温度+0.×黒球温度

 

5.まとめ

このように算出された熱中症危険度は各作業員が仕事をしている場所によっても大きく異なります。そのため、ピンポイントで作業をしている場所の熱中症危険度を正確に把握する必要があります。これもまたDXによって、IoTやデバイスを活用して測定・評価することができます。

 

建設業におけるDXはヘルスケア・メンタルヘルスの分野でも活用が広がっており、熱中症対策などのように、作業員の方々の生命や健康を守るためのプロジェクトとして進められているのです。

 

 

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

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