コラム

心理学の研究とは

2024.7.26 心理
  • 遺伝と環境
  • 発達心理学
  • こころ検定4級
  • こころ検定3級

心理学において、研究とはどのようなものなのでしょうか。

 

【目次】

  1. 1.7月28日は「なにやろう?研究の日」
  2. 2.アナログ研究
  3. 3.横断的研究と縦断的研究
  4. 4.家系研究法
  5. 5.ホーソン研究
  6. 6.まとめ

 

1.7月28日は「なにやろう?研究の日」

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。7月28日は「なにやろう?研究の日」に制定されています。これは進研ゼミなどの通信講座を展開しているベネッセコーポレーションが制定したもので「な(7)に(2)や(8)ろう?」の語呂合わせから、7月28日となっています。

では、心理学において、研究とはどのようなものなのでしょうか。心理学に関する研究については、次のようなものがあります。

 

2.アナログ研究

アナログ研究は多様な要因の混在する臨床心理学的な現象を実証的に検証する方法の1つです。アナログ研究では、臨床的場面の模擬事態を実験的に設定し、操作可能な刺激と観察可能な反応との因果的関連を調べるというものです。アナログ研究が臨床心理学にとって有効であるためには、臨床的場面をモデル化した実験事態の設定が可能であること、臨床心理学的現象に影響を与えていると考えられる主要要因の操作が可能であること、剰余変数等の統制が可能であることなどが求められます。

 

3.横断的研究と縦断的研究

発達心理学において、横断的研究は主として異なる年齢集団を対象とし、それぞれの年齢集団の特徴を明らかにして、各年齢間の発達的変化やその基礎にある発達のメカニズムを明らかにしていこうとするものです。横断的研究は同一課題を異なる年齢集団に実施し、同時的に多くの資料を得ることができます。これに対して、縦断的研究は、ある個人や同一の対象集団を長期にわたって追跡するというものです。ただし、大きな集団を追跡するのは困難で、さらには追跡期間の途中で種々の原因から対象集団がどんどん小さくなる可能性が高いというデメリットがあります。そのため、実施上の困難から、相対的に負担の少ない前者の方法が用いられることが多いとされています。その上で、縦断的研究には個人差を考慮できるという大きな利点があり、必要なデータの年齢が近接している場合は追跡が容易であるとともに、一貫性や変化が具体的で因果的説明が容易になることが多いというメリットもあります。

 

4.家系研究法

家系研究法とは、ある形質の遺伝的伝達性を検証するため、その形質をもつ人たちが血縁関係の中でどのように、どの程度出現するかを調査する行動遺伝学的研究法の1つです。心理学者のゴールトンが学者・政治家・芸術家など傑出した人物の調査を行ったのが始まりであり、ゴダードによるカリカック家の研究や、ダグデールのジューク家の研究も有名です。家系研究法では、音楽家のバッハ家や画家の狩野家に関する研究も、しばしば引き合いに出されることがあります。ただし、家系研究法で確かめられるのは単一遺伝子あるいはポリジーンにおける相加的遺伝効果の影響であり、非相加的遺伝効果は検証できないというデメリットもあります。また、共有環境(家族の成員を類似させるように機能する環境)の効果が含まれる点もデメリットとなります。共有環境の影響を分離するには、別々に育った一卵性双生児や一卵性双生児の子ども同士の比較、または養子の家族の類似性の比較など特殊な方法が必要となります。

 

5.ホーソン研究

ホーソン研究とは、産業・組織心理学の分野でメーヨーが中心となって1924年から1932年にかけてシカゴのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で実施された研究のことを指します。この研究は当初、照明条件・休憩条件・作業時間などの変化が生産能率に及ぼす影響を調べることが目的でした。しかし、結果的には、これらの条件と生産性との間には何ら有意な関係は認められませんでした。むしろ、従業員の生産行動が集団の一員として認められることや仲間とうまくやっていきたいといった社会的欲求に規定されること、会社によって作られた公式集団よりも、従業員自身によって作られた非公式集団の規範に強く影響されていることが明らかとなりました。ホーソン研究は従業員の社会的欲求や非公式集団における規範が組織の生産性に強い影響力をもつことを明らかにし、産業組織の研究に社会心理学的な視野を組み込んだ点で経営におけるその後の人間関係論の展開に大きな影響を与えるものとなりました。

 

6.まとめ

このように、心理学では様々な観点から研究が実施されているのです。

 

 

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

「つぶやきコラム」は、医療・福祉・心理学・メンタルケアの通信教育スクール「TERADA医療福祉カレッジ」が運営するメディアです。
医療・福祉・心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、調べたいことがある、学んでみたい人のために、学びを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連記事