エイプリルフールと心理学にはどのような関係があるのでしょうか。
日本には365日の全てに何らかの「記念日」が制定されています。
4月1日は「エイプリルフール」に制定されています。
エイプリルフールとは、悪意のない嘘をついても良いとされる日であり、イギリスでは嘘をつける期限を正午までとする風習があるなど、文化・社会によって多少異なるものの、日本だけでなく、世界中で実施されているイベントといえるでしょ嘘のため、エイプリルフールは日本語で「四月馬鹿」、中国語では「万愚節」と表記されることもあります。
エイプリルフールの起源には諸説あるとされています。
たとえば、1564年に当時のフランス国王であるシャルル9世が1月1日を新年とする暦(カレンダー)を採用することを発表しました。
しかし、多くの国民がこれに反対し、反対した人々が元々もの新年であった4月1日を「嘘の新年」として馬鹿騒ぎするようになったのが由来という説があります。
また、インドで悟りの修行が3月20日頃の「春分」から3月末まで行われていました。
しかし、3月末の期日を過ぎるとすぐに悟りの状態から迷いが生じてしまうことから、4月1日を「揶揄節」とよんで、悟りができていないことをからかったことが由来となっているという説もあります。
このインド由来説では、その後、揶揄節が西洋に伝わり「エイプリルフール」となり、中国に伝わったことで万愚節になったとされています。
そして、日本には江戸時代に中国から万愚節が伝わったという説、大正時代に欧米の「エイプリルフール」が伝わったという説などがあります。
では、エイプリルフールと心理学にはどのような関係があるのでしょうか。
一般的に「嘘」とは、意図的に他者を騙すことを目的とした陳述(コミュニケーション)のことを指し、単なる不正確な陳述(知識不足、言い間違い、勘違いなど)とは異なるものであるとされています。
そんな嘘について心理学では研究が実施されており、心理学者のウィルソンらは、嘘を
このような5つのタイプに分類しています。
嘘は社会的適応の面で現在・将来にわたる問題行動の重要な指標として考えられています。
たとえば、精神疾患の世界的な診断・統計マニュアルであるDSMでは、反社会的行動や問題行動、攻撃行動と同列で「嘘をつくこと」が含まれています。
また、統計学的な因子分析に関する研究では、嘘は非行や問題行動の主要な因子であるということが判明しています。
嘘と近い言葉に「あざむき」というものがあります。
あざむきは、人間だけではなく、動物にも「あざむき行動」として認められるものです。
具体的には、意図的に誤った情報を流し、他者の行動を誤導(ミスリード)することによって、自らが利益を得ようとすることを指します。
意味的には「嘘」と似ていますが、嘘は言語的なものであるものの、あざむきは「知らないふりをする」など非言語的行動も含まれます。
また、あざむきを行うためには、そもそも他者の知識や信念を利用することが必要となります。
従って、相手の考えていることや気持ちなどが分かった上でないと、他者をあざむくことはできないのです。
そのため、発達心理学における心の理論が成立している状態でなければ、他者をあざむくことはできないと考えられています。
このように、嘘について、心理学では様々な側面から研究が実施されています。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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