ルイス・ターマンは1月生まれの著名な心理学の専門家です。
心理学・カウンセリング・メンタルケアの専門家には、1月生まれの著名な先生方がいます。
ルイス・ターマンは1877年1月15日生まれのアメリカの心理学者です。
ターマンは知能に関する研究で非常に有名です。
ターマンは1905年にアメリカのスタンフォード大学で心理学の博士号を取得し、その後、高校の校長先生やカリフォルニア州立師範学校のロサンゼルス校の教授などを務めています。
そして、母校であるスタンフォード大学の教授に就任しています。
ターマンはスタンフォード大学で知能の研究に従事しました。
その中で、既に開発されていたスタンフォード – ビネー知能検査の改訂版を開発しました。
この改訂において正式に取り入れられたのが知能指数という概念です。
知能指数とは個人が受けた知能検査の結果を表現する指標の1つです。
知能指数は精神年齢(MA)や知能偏差値(ISS)と合わせて活用されるものです。
一般の方々には「IQ」と言った方がよく聞いたことがあると思われるかもしれません。
知能指数は知能検査を受けた個人の実際の年齢を生活年齢(CA)として、検査結果から判定された精神年齢(MA)とし、IQ=(MA/CA)×100という計算式で算出されます。
そして、子どもの知能指数が100よりも著しく低い場合、知能や発達の遅れがある可能性が示唆されます。
同様に子どもの知能指数が100よりも著しく高い場合、その子どもはいわゆる「天才」である可能性が高いと考えられます。
たとえば、実年齢(生活年齢)が10歳の子どもが知能検査を受けたとします。
そして、検査結果として、精神年齢の数値が18と出たとします。
これを先ほどの計算式に当てはめると【 (18/10)× 100 = 180 】となり、知能指数(IQ)が180となります。
つまり、これは現在10歳であるにもかかわらず、知能は18歳レベルに達しているということを示しているわけです。
この知能や知能検査、知能指数の研究はドイツの心理学者であるシュテルンが最初に考案したものであるとされています。
その後、知能検査はフランスで心理学者のビネーとシモンによって最初に開発されました。
ただし、この段階で知能指数という概念と知能検査が直接リンクすることはなく、独立したものとなっていました。
その後、ビネー – シモン式知能検査がアメリカに輸入され、前述のターマンらが改訂版を開発したことで、ターマンが当時所属していた大学の名前である「スタンフォード」が冠されて、スタンフォード – ビネー知能検査となったわけです。
この段階で知能検査に知能指数(IQ)の概念も取り入れられるようになったのです。
ターマンは知能の研究の過程で、天才児・優秀児の研究も進めていました。
ターマンはます、知能指数が120~140を優秀児(superior)と定義し、140以上を天才児(gifted)と定義しました。
これは、10歳の段階で12歳や14歳程度の知能を有しているのが優秀児(小学校4年生の段階で小学校6年生~中学2年生レベルの知能がある)、10歳の段階で15歳以上の知能を有しているのが天才児(小学校4年生の段階で中学卒業から高校生以上の知能がある)ということになります。
ただし、ターマンによる知能の測定・評価はいわゆる「国語」「算数」や記憶といった限定的なものとなっています。
そのため、たとえば、音楽や美術・スポーツなどについては、優秀か天才か、それとも普通なのかを判断・評価することはできません。
これは、現在の知能検査・発達検査についても同様で、一般的な知能検査・発達検査は音楽・ダンス・美術・スポーツの才能を測ることはできません。
また、これらの分野が「何をもって普通で、何を持って天才なのか?」が明確に定義できないため、知能指数のように数値化するのが難しいという側面もあります。
ただ、国語や算数、記憶力のようなものから、美術・音楽・スポーツに至るまで、その優秀性・天才性は社会的価値や文化的文脈の中で育成されていったり、遺伝的要素があったりという点では共通していると考えらえます。
知能については、こころ検定4級の第7章で概観していますので、興味・関心のある方は、是非、勉強してみていただければと思います。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部 「つぶやきコラム」は、医療・福祉・心理学・メンタルケアの通信教育スクール「TERADA医療福祉カレッジ」が運営するメディアです。 医療・福祉・心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、調べたいことがある、学んでみたい人のために、学びを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。