ファミリーファーストの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
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日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。3月1日は「ファミリーファーストの日」に制定されています。これは、ライオンズマンションを全国で展開している株式会社 大京が制定したものです。この日は、いつも、家族の幸せを第一にと考えるファミリーファーストの気持ちの大切さを広く伝えることが目的としています。
では、家族と心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
心理学には家族心理学や家族療法という分野・手法がありますが、他にも家族に関する様々な概念が定義されています。
家族を各部分の特性の総和以上の特性をもつ一つのシステムとして捉える考え方です。このシステムはあるルールによって支配されており、全てのシステムは境界を有していると定義されています。その境界は半透性であり、通過できるものとできないものもあるとされています。また、家族システムは完全にではないものの、比較的安定した状態に立ちいたる傾向があり、変化や成長が起こることは一般的であるとされています。さらに、家族システムはサブシステムによって成り立ち、また、それ自身より大きなスープラシステムの部分であるとされています。家族の中の個人の行動のような事柄は直線的な因果関係よりも円環的因果関係の例であると見なした方がより理解しやすいと考えられています。家族システム論の考え方の具体例としては、子どもの不登校は過保護な母親に責任があると考えるのではなく、その背後には夫に頼りたくても頼れないという夫婦間の問題が潜んでいるかも知れないと考えます。このように、家族療法的なアプローチとしてシステム的治療を実施する心理カウンセラーは家族システム理論的に捉えることが多いです。
心理学では、家族の関係性についても定義しています。心理学において家族関係とは、家族を構成している人数や年齢、性別といった形式的な側面、家族の構成員それぞれの役割やダイナミクス(力動関係)のことを指します。家族関係には夫婦・親子・兄弟姉妹・祖父母と孫などの様々な二者関係・三者関係などが含まれます。心理カウンセリングとして家族を対象とした治療・支援をする場合、家族を治療する際は、家族関係をアセスメントすることが非常に重要となります。家族療法などを実施する心理カウンセラーは夫婦の意識的・無意識的な部分がそれぞれ異なっている可能性があること、親子や祖父母を含めた世代間境界がどのような現状や期待感を持つものとなっているのかを理解する必要があります。そして、家族療法等では、家族関係を通じて、家族が全体として十分に機能しているか(機能不全に陥っていないか)を検討することになります。
家族を構成面から分類すると核家族・直系家族・複合家族の3つに分類することができます。このうち、核家族とは婚姻によって成立した一組の夫婦と彼らから生まれた未婚の子からなる家族の集団的単位のことを指します。これに対して、拡大家族とは直系家族と複合家族の総称を指します。このうち直系家族とは、親夫婦と一組の子ども夫婦、および彼らの子どもからなる家族のことを指します。従って、2つの核家族が既婚子を要として世代的に結合した形態が直径家族ということになります。一方で、複合家族とは、親夫婦と複数の子ども夫婦、および彼らの子どもからなる家族のことを指します。つまり、複合家族とは複数の既婚子の家族と複数の核家族が世代間的および世代内的に結合した形態ということになります。
このように、心理学では家族というものを様々な観点から研究しているのです。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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