フェムテックを学ぶの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
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日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。２月19日は「フェムテックを学ぶ日」に制定されています。これは、女性の心や体の変化及びホルモンバランスについての正しい知識の啓発活動などを行う一般社団法人・日本フェムテック協会が制定したものです。「フェム（2）テ(10）ク（9）」と読む語呂合わせで読むことから、この日が選ばれています。また、2022年の2月19日には、初めての日本フェムテック協会認定資格2級講座を開催したことも関係しています。この日はフェムテックを学び、そのリテラシーの向上、安全性の向上、医療従事者のフェムテック教育、研究に寄与することが目的となっています。
フェムテック（Femtech）とは、女性（Female）とテクノロジー（Technology）をかけ合わせた造語で、女性が抱える身体的な悩みや健康の課題をテクノロジーの力で解決するというものです。また、それら様々な課題を解決できる商品やサービス全般を指してフェムテックとよばれています。このように、女性のさらなる社会進出や社会での活躍をテクノロジーで支えるという時代が来ているのです。
では、心理学の分野において女性の活躍とはいかなるものなのでしょうか。
日本で初めてPh.D（博士号）を取得した女性は実は心理学者でした。原口鶴子は1886年6月18日生まれの心理学者であり、日本女性初の博士号取得者でもあります。原口鶴子は二年飛び級して高等女学校に進学するなど学生時代から非常に優秀な人物でした。その後、1903年に日本女子大学の英文学科・人文学専攻に入学しています。そして、ここで原口の指導教官となったのが松本亦太郎です。松本亦太郎は1903年に日本で最初の心理学実験室を東京帝国大学に創設しました。次いで、1906年には京都帝国大学（現在の京都大学）の文学部・初代心理学教授に就任し、同大学にも心理学実験室を設置しました。
原口は指導教官の松本の勧めもあり、1906年にアメリカに留学し、コロンビア大学に入学します。そこで原口はソーンダイクやウッドワース、ジェームズ・キャッテルらなどの名立たる心理学者から指導を受け、1912年に心理学的に疲労について実験的に検討し（心的疲労）、博士論文を完成させます。そして、日本人女性初となる博士号を受容されます。そして、学位を授与された同じ日に、同じく留学をしていた心理学者の原口竹次郎を結婚しています（※原口は結婚後の氏名で旧姓は新井）。
博士号を取得後、日本に帰国した原口はさらに心理学の研究を進め、母校である日本女子大学で講師も担当しています。また、日本女子大学の心理学実験室の設立にも携わっています。しかし、結核により29歳の若さで亡くなってしまいました。
原口の生涯は短いものであり、さらには心理学者として専門家活動に従事していた時間もあまりにも短いものではありました。ただ、その短い活躍の中においても心的作業及疲労の研究」やアメリカ留学についての経験をまとめた「楽しき思い出」、心理学者のゴールトンの書籍を翻訳した「天才と遺伝」という３つの書籍を執筆しています。また、学術論文としては「精神薄弱児の心理学的研究」「児童智能の測り方」「実際の疲労と疲労の感 上下」を書いています。
日本人初の博士号取得者であり、当時まだまだ女性の活躍が厳しかった時代に大学に進学し、海外留学も経験した原口の生涯は多くの方々が注目するものでした。そこで、原口鶴子の生涯と業績についてのドキュメンタリー映画が作成されています。１つは「原口鶴子の生涯」、そして、「心理学者 原口鶴子の青春 100年前のコロンビア大留学生が伝えたかったこと」というものです。
このように、100年以上も前に心理学の分野で女性の先進的な活躍があり、それは現在の心理学界でも受け継がれているのです。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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