私たちは日常生活の中で、色々な事柄を見たり、聞いたりしています。
しかし、これらは目や耳などの感覚器官からの刺激を電気信号に変換して脳に送り、それを脳が処理するという過程を経てはじめて、実際に経験・体験することができるものなのです。
従って、実際に私たちが目や耳で見たり、聞いたりしたものと、
流れ落ちる滝をしばらく見ていた後,視線を他へ転じると,周りの景色がゆっくりと上昇していくように見える現象。
*運動残効の一種。残効速度は*順応時の滝の落下速度に依存するが,厳密に比例するものではなく緩慢なものとなる。
また,残効速度は視野周辺で速い。片眼で順応し,他眼で残効を見ることもできる(両眼間転移)。
順応時の刺激の時空間周波数,コントラスト,明るさ,順応時間も残効に影響するといわれている。
月は地球から約38万kmの距離にあり,その*視角は約0.5°である。
しかし,地平線の月は,天頂の月よりも平均して 15~30% ほど大きく見える。これを月の錯視という。
月の錯視を説明する定説はなく,生理学的説明,見えの距離説,大きさの対比説などの諸説がある。
生理学的説明では眼球,頭部,胴体の位置のような変数によって*錯視の説明が可能であるとする。見えの距離説では,地平線の月は天頂の月よりも遠くに見えるので錯視が生じると主張する。
大きさの対比説では,天頂の月はその背景である空との間で著しい大きさの対比が生じ,その結果として月は縮んで見えるのに対して,地平線近くの空の大きさは*視野の約半分にしかすぎず,空による月への対比効果は弱く,天頂の月ほどには縮まないと説く。
半暗室条件でスポットライトにより局部的に強く照明された黒い円盤は,照明の*照度に応じて「暗い室内の白い円盤」(灰色または白灰色)に見える*対比現象が起こる。
ところがその円盤上に白い紙片をおくと円盤は突然黒く見え,紙片は白のままに見える。
さらに,この白い紙片を円盤の周辺部よりも中心におくと,より鮮明な効果が得られる。これをゲルプ効果という。
この効果は呈示される紙片の反射率や面積によって規定されるが,極端に小さな紙片でも生ずる。
このように*明るさの知覚は照明条件に必ずしも対応しない。
ドイツのミュラー – リヤー(Müller-Lyer, F. C.)が19世紀末に発見した*幾何学的錯視図形群の総称。
今日では,ふつう図aないし図eを標準型とする,長さに関する錯視をさすことが多い。
主線の見かけの長さが,矢羽や斜線を付加することによって変化する*錯視である。
たとえば図eでは平均的に,右側の外向図形の主線の長さを2~3割短縮すると,主観的に左側の内向図形の主線と同程度の長さと判断されるようになる。
ちなみに線の長さについての*弁別閾いきは,ウェーバー比で100分の1ほどであることが知られている。
つまり,100mmと101mmの線の長さは識別できるという時に,その線の両端に斜め線を加えるだけで 20~30mm変化して見えるということであるから,この錯視効果はかなりのものである。
幾何学的錯視の成立に際して,文化的・社会的要因が影響しているという仮説。
たとえば,直線や四辺形で構成される西洋的建築環境(人工的環境)で成育した人は,そうでない人と比べて*ミュラー – リヤー錯視量がより多くなると考えられる。
事実,そのような世界に住む人はそうでない人と比べて錯視量が多かったという結果が得られている。
ただし,後者の人に*錯視が生じなかったわけではないこともまた重要な事実である。
音韻知覚に関する*聴覚的な手がかりと*視覚的な手がかりとを,食い違ったものにして同時に呈示すると,2種類の手がかりが引っ張りあうような*知覚の生ずること。
たとえば,/ba/ と発音した*音を聴覚刺激として与え,/ga/ と発音した顔の動きを視覚刺激として与えると,多くの場合,*音声としては /ba/ と /ga/ との間に位置づけられる /da/ が聞かれる。
この場合,被験者は,手がかりの一部を目で見たとは感じず,耳に /da/ が聞こえたと感ずる。
錯視や錯聴に関しては、こころ検定4級の第4章で概観していますので、興味・関心のある方は、是非、勉強してみていただければと思います。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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