コラム

就職やスキルアップ、副業に有利になる?心理学関連の資格や検定とは?

2021.11.9 心理
  • メンタルケア心理士(R)
  • メンタルケアカウンセラー(R)
  • 心理カウンセラー

 

 

 

心理学は、人の心理を科学的に分析し、社会で応用し活かすなど様々な仕事へと繋げられます。人気のある職業として、例えば、心理カウンセラーが挙げられます。悩みを抱える人へ相談援助を行う仕事として、人気の高い職業です。

 

しかし、心理学を社会で活用するになるためにはどうすれば良いのか、心理学の資格や検定が、何があるのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、心理学を勉強する方法、心理学を通じた仕事内容、資格や検定の種類をご紹介します。

 

心理学とは

 

 

  1. 心理学とは?

そもそも、心理学とはどのような学問なのでしょうか?
学術的には、心理学とは人間の精神の状態を知覚・認知・感情・生理・行動・パーソナリティ・発達・社会・臨床などの様々な観点から研究する分野になります。

 

そのため「〇〇心理学」という表記で、心理学の前に漢字2文字などをつけることで、細かい分野を表すことが多いです。

 

たとえば、知覚心理学、認知心理学、感情心理学、生理心理学、学習心理学(行動心理学)、人格心理学(パーソナリティ心理学)、発達心理学、社会心理学、臨床心理学などが代表的です。
そして、現在、心理学に関する資格や検定などが存在しています。

 

心理カウンセラーとは

 

 

  1. 心理カウンセラーとは?

心理学の知識・技能を活用した仕事として、代表的なものに心理カウンセラーがあります。
心理カウンセラーとは、前述した様々な心理学の基礎知識に加えて、心理療法や心理カウンセリングなどの実践的な技法を身に着けて活動する専門家です。

 

心理カウンセラーには世界基準があり、科学者 – 実践者モデルとよばれています。
これは、心理カウンセラーは常に科学者・研究者としての視点を持って、実践の現場(カウンセリング)で活動しければならないというものです。
心理カウンセラーに関する資格や検定も複数存在しており、代表的な資格・検定については後述していきたいと思います。

 

心理学を活かした仕事内容と活躍分野

 

 

  1. 心理学を活かした仕事内容と活躍分野

心理学を活かした活動には様々なものがあり、代表的なものとして、前述の心理カウンセラーがあります。
ただし、活動するためには、心理学に関する何らかの資格・検定を持っていることが前提となることが多いです。
では、心理カウンセラーを含めた、いわゆる心理専門職とよばれる活動には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

 

学校などの教育機関での活動

 

■学校などの教育機関での活動:

学校などでの教育機関で心理学の知識を活かして活動するケースがあります。
代表的なものとしては、スクールカウンセラーが挙げられます。
ただし、スクールカウンセラーは制度名であり、資格や検定が存在するわけではありません。

 

また、現場が学校ということで、教育心理学や発達心理学の知識なども非常に重要になります。
そして、単純にカウンセリングをするというよりも、こころ検定などの検定資格を通じて学んだ心理学やメンタルヘルスに関する知識を持った状態で、教師として仕事をするということも、立派な心理学に基づいた活動といえるでしょう。

 

一般企業等の産業場面での活動

 

 

■一般企業等の産業場面での活動:

一般企業等の産業場面では、イメージしやすいものとして、産業カウンセラーという資格が挙げられます。ま
た、産業・組織心理学や経済心理学などの分野も、ビジネスの場面では有効活用できる心理学の知識となります。

 

現在、特に重要となっているのが、従業員のストレスチェック制度やメンタルヘルス対策などであり、心理カウンセラー以外にも人事部やHR(ヒューマンリソース)の観点から、心理学の知見が活かされています。

 

こころ検定の受検を検討していたり、既に検定に合格された方の中にも、自身の人事総務などの業務に心理学の知識を活かしているという方もいらっしゃいます。

 

副業としての活動

 

■副業としての活動:

副業は近年、広まりつつある仕事に対する新しいアプローチであり、正社員として勤務していても勤務先が副業を許可してくれているケースも増えています。そんな中で、心理学の知見を活かした副業というものも存在します。

 

例えば、専門知識を活かした副業コンサルティングというものがあります。
心理学関係の資格や検定を取得するために勉強した知識が新しいサービスや商品の展開に活用できることがあります。

 

また、資格や検定を持っているという立場で、心理学の専門家として「こんな新しいサービスをどう思いますか?」のように「自分がその商品・サービスを使う側」として、コメントやアドバイスを求められるというケースもあります。

 

こういった、副業コンサルティングの場合、必ずしも心理カウンセラーである必要はなく、心理学の専門的な知識を有しているという証明として、資格や検定を持っているということでも問題ない場合もあります。
あくまで副業ではありますが、そこから継続的なコンサルティングへとつながったり、監修業やアドバイザーとして活躍できるきっかけとなる可能性もあります。

他の業務の場合も当てはまることですが、資格や検定を持っているということはスタートラインであり、その後、さらなる発展をするためのきっかけともなるのです。

 

心理学を学ぶのに向いている人

 

 

  1. 心理学を学ぶのに向いている人

では、資格や検定として心理学を学ぶ際に、向いている人とはどのような人なのでしょうか?
一般的なイメージとして、心理カウンセラーなどの場合、漠然と「優しい人」や「聞き上手な人」というニュアンスが強いかもしれません。

 

確かにそういった要素も受容かもしれません。

 

しかし、本当に心理学を学ぶのに向いている人は「科学的な思考を持てっている人」や「論理的な分析ができる人」ではないかと考えられます。
心理学は科学的な学問分野であり、心理カウンセリングも科学的なものです。
資格や検定も、基本的には論理的思考や分析力を身に着けることを前提としたものも多くあります。

 

いずれにしても、資格や検定を取るために勉強するということ自体、頭を使って考えるということが必要なので、論理性や分析力も自ずと重要となってくるわけです。

 

心理学に関わる代表的な資格・検定

 

 

  1. 心理学に関わる代表的な資格・検定

心理学に関する資格・検定には様々なものがあります。
その中でも、代表的な資格・検定について解説していきたいと思います。
基本的には資格・検定は民間のものと、公的(国家資格)の2つに分けることができます。

 

やはり、国家資格や公的な検定の方が、民間の資格・検定よりも、レベル・難易度も高い分、社会で活躍できる幅は広いと考えられます。
では、具体的な心理学関連の資格・検定について解説していきましょう。

【国家資格】

■公認心理師:

公認心理師は日本で現在、唯一の心理学関連の国家資格です。
基本的には臨床心理士と同様に大学・大学院の6年間、基礎・応用・臨床をしっかりと学び、実習などで経験を積み、最後に国家試験を受験して合格することで資格を得ることができます。

 

公認心理師はまだ誕生して日が浅いものの、日本初の心理学関係の国家資格であり、心理カウンセラー資格としても確固たる地位を築きつつあります。

【民間資格】

 

■臨床心理士:

臨床心理士は心理学関連の資格・検定の中では、比較的有名なものではないでしょうか。
基本的には大学の学部と大学院の修士課程の合計6年間、心理学や精神医学に関する講義や実習を受けて、単位を取得することが必須となります。
また、その過程で卒業論文や修士論文の執筆・提出も必要になります。

 

さらに、大学院への進学に関しては、大学院入試に合格する必要もあります。
つまり、臨床心理士は6年間に何度も資格や検定に合格するのと同じように、テストやレポート提出などを繰り返していくことになるわけです。
そして、大学院の修士課程修了後に、臨床心理士試験を受験して合格することで、晴れて資格を得ることができます。

 

臨床心理士は民間資格ではありますが、後述する国家資格である公認心理師が誕生するまでは、心理カウンセラー資格といえば、臨床心理士が最も有名な資格であったといえるでしょう。
現在は、ちょうど国会資格である公認心理師制度の移行期間の特別措置がとられており、公認心理師の資格と臨床心理士の資格を2つ持っているという方も多く存在します。

■こころ検定

 

  • こころ検定とは
    こころ検定は文部科学省の後援事業として、4つの級で構成された心理学の検定です。
    民間の検定ではありますが、こころ検定はしっかりとしたカリキュラム構成で、初学の人でも心理学について学ぶことができる検定となっています。

 

こころ検定1級とこころ検定2級は他者支援を前提とした検定となっており、心理カウンセラーとしての知識・技術を身に着けることができるものとなっています。
こころ検定3級とこころ検定4級は、教養としての心理学の知識を身に着けることができる検定となっています。

 

こころ検定3級では、発達心理学・パーソナリティ心理学・教育心理学・健康心理学・心理検査学などについて学ぶことができます。
こころ検定4級では、学習心理学・認知心理学・生理心理学・知覚心理学・社会心理学・感情心理学・知能について学ぶことができます。

  •  こころ検定の資格取得方法

こころ検定4級・3級・2級は受検資格はありませんので、どなたでも受検ができます。検定の受検方法はCBT試験となり、全国300か所以上の試験センターで受検が可能な、受検者にとって受検がしやすい試験方法が採用されているのが特徴です。1級は1次試験はCBT試験ですが、2次試験は、CBT試験とは別に設置される面接試験会場での面接試験の受験が必要となります。

■メンタルケアカウンセラー

 

    • メンタルケアカウンセラーとは
      メンタルケアカウンセラーは、心理カウンセラーになりたい人にとっての、最初のスタートラインや勉強のきっかけとなるような、初歩的な内容の資格となっています。まずは、ここからスタートして、心理学とは何か、心理カウンセラーとは何かということを正確に理解することができるのが、メンタルケアカウンセラーの資格であるといえるでしょう。

 

    • メンタルケアカウンセラーの資格取得方法

メンタルケアカウンセラーは自宅で学習できる通信教育講座で、講座に含まれる添削問題の修了試験の合格をもって資格が取得できます。学習から、試験まで自宅でできて、資格まで取れますが、心理学の入門としての知識をしっかりと身に着けられるカリキュラムです。

■メンタル心理カウンセラー:

 

メンタル心理カウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会が認定する民間資格です。

  • メンタル心理カウンセラーとは
    メンタル心理カウンセラーは、メンタルケアカウンセラーと同様、メンタルケアにおける初歩的な内容の資格であり、心理カウンセラーになりたい人にとっての、最初のスタートラインや勉強のきっかけとなるような資格です。

人間関係や、様々な生活環境でのストレスに対し、心理学の知識を活かし支援をする役割が期待されています。

  • メンタル心理カウンセラーの資格取得方法
    メンタル心理カウンセラーの資格は、日本能力開発推進協会指定の講座を修了することが受験資格であり、試験は在宅受験が可能です。
    こちらも、メンタルケアカウンセラー同様、自宅での学習と受験で取得が可能となっています。

■メンタルケア心理士

 

  • メンタルケア心理士とは

メンタルケア心理士は、こころ検定2級に合格した方が申請することで取得できる資格です。
こころ検定2級は他者支援を前提とした資格であるため、心理学の基礎・応用・臨床について学ぶと同時に、解剖生理学や精神医学についても学ぶという構成になっています。
また、心理カウセラー資格として、心理カウンセリングについても基礎的な部分を網羅するような内容となっています。

  • メンタルケア心理士の資格取得方法

メンタルケア心理士はこころ検定(文部科学省後援)2級の合格と、メンタルケア学術学会が指定する講座「メンタルケア心理士講座」の受講修了が必要となります。こころ検定2級の合格、講座受講修了とメンタルケアカウンセラーに比べると少しハードルは高くなりますが、確かな臨床心理学基礎の知識と身に着けられ、その資格として証明されます。

 

 

 

■メンタルケア心理専門士

 

  • メンタルケア心理専門士とは

メンタルケア心理専門士は、前述のメンタルケア心理士の上位資格であり、こころ検定1級に合格した方が申請することで取得できる資格です。
こころ検定1級も他者支援を前提とした資格であるため、心理学の基礎・応用・臨床について学ぶと同時に、心理専門職として倫理や心理統計学などについても学ぶという構成になっています。
また、心理カウンセラー資格として、様々な心理療法についても総合的に学ぶことができます。

  • メンタルケア心理専門士の資格取得方法

メンタルケア心理専門士はこころ検定(文部科学省後援)1級の合格と、メンタルケア学術学会が指定する講座「メンタルケア心理専門士講座」の受講修了が必要となります。こころ検定1級の合格、講座受講修了とメンタルケア心理士に比べるとかなりハードルは高くなりますが、確かな臨床心理学応用の知識と身に着けられ、その資格として証明されます。

 

 

まとめ

 

6. まとめ

このように、心理学に関する資格・検定は数多くあります。
その中でも、今回、紹介させていた資格・検定は、国家資格や民間資格の中でも、しっかりとしたカリキュラムとなているものが多いので、興味・関心をお持ちの方は、是非、勉強してみていただければと思います。

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

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