コラム

パソコンと心理学の関係

2024.9.12 心理
  • 認知心理学

パソコンと心理学には、どのような関係があるのでしょうか

 

【目次】

  1. 1.9月28日はパソコン記念日・パソコンの日
  2. 2.認知心理学とパソコンについて
  3. 3.マン = マシン・インターフェイスについて
  4. 4.まとめ

 

1.9月28日はパソコン記念日・パソコンの日

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。9月28日は「パソコン記念日・パソコンの日」に制定されています。これは、1979年9月28日に日本電気(NEC)がパーソナルコンピュータPC-8001(PC-8000シリーズ)を発売したことが由来です。PC-8001はキーボードと本体が一体化したデザインで定価は168,000円でした。これがパソコンブームの火付け役となり、PC-8000シリーズは3年間ほどで約25万台を売り上げました。その後、同社を代表するシリーズの一つで、数多くのソフトウェアや周辺機器が販売されました。また、販売は日本だけでなく外国でも行われました。そして、PC-8800、PC-9800シリーズなどの後続のシリーズも発売されました。

 

さて、パソコンの「PC」とは「パーソナルコンピュータ」の略であり、日本で「パーソナルコンピュータ」という言葉が使われたのも、このPC-8001が最初であるとされています。当時は「マイクロコンピュータ」の略称である「マイコン」が、これらのコンピュータの通称となっていましたが、NECは以降「パーソナルコンピュータ」、略称「パソコン」を商標に据え一般に定着させていきました。

 

では、パソコンと心理学には、どのような関係があるのでしょうか。

 

2.認知心理学とパソコンについて

心理学には認知心理学という分野があります。認知心理学はパソコン(コンピュータ)が登場・発展しはじめた1960年代に同じく誕生したものであり、パソコン(コンピュータ)との関連の深い分野です。認知心理学は人間の情報処理能力である記憶・思考・推理・判断・評価などの認知機能に関する研究を進める分野であり、これは人間の脳をパソコン(コンピュータ)と同じように考えていくことで、様々な理論や仮説が提唱されました。そして、認知心理学が発展することで、人間の脳の仕組みをパソコン(コンピュータ)の方に逆に利用するということも進められていきました。

 

3.マン = マシン・インターフェイスについて

現在、私たちの日常生活にはパソコンやタブレット、スマートフォンなどが欠かせないものとなっていますが、その中でよく「インターフェイス」という言葉を耳にすることがあるかと思います。インターフェイスとは「二つの異なった物質が触れあう面」というのが本来の意味になります。ここから派生する形で複数システムをつなぐ仕組や人と機械・道具の接点という意味で使われています。パソコンと人間の場合も、やはり接点という意味でインターフェイスという言葉が使われています。パソコンなどの機械はその機能を実行する対象への接面と、パフォーマンスの状況を知らせ、人間からの命令を受ける接面の2つのインターフェイスがあります。特に人間と機械の接面をマン = マシン・インターフェイスとよびます。

 

現在、技術革新に伴い、複雑な機械を幅広いユーザーが使用したり、大規模プラントの計測制御系のように人間の操作エラーが社会的に大きな影響をもたらすようになっています。従って、マン = マシン・インターフェイスも人間の感覚・生理・運動機能との関連での操作性の高さを要求されており、さらにはユーザーがゴールを達成するための操作手順を機械との対話の中から理解できるような使いやすさ、あるいはユーザーの操作ミスが取り返しのつかない結果に結びつかないような補償・支援機能をもつなどの認知的インターフェイスが要求されています。マン = マシン・インターフェイスにおいて「親しみやすい」「使い勝手のよい」「人に優しい」などの意味で使われる用語にユーザーフレンドリーというものがあります。マシンはユーザーの要求を解釈し、マシンへの知識不足をユーザーに意識させることなく操作できることが求められています。マシンは高度に情報化・複雑化し、ユーザーは多様化する中で、マシン使用へのユーザーの動機と使用に際しての安全性を高めるために、マシン側がユーザーに適応する必要があるという設計思想がユーザーフレンドリーの基本となっています。

 

4.まとめ

このように、パソコンの誕生と認知心理学の関係・発展、ユーザーである人間との接点を快適にするための心理学的観点などがあるのです。

 

 

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

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