メンタルへルスを維持・向上させるための方法には、自分一人でも実行できるセルフケアの要素が強いものも沢山あります。
メンタルへルスを維持・向上させるための方法には、自分一人でも実行できるセルフケアの手法があります。
しっかりと科学的根拠に基づいたものには効果的なものもありますので、いくつかを紹介していきたいと思います。
深呼吸をすることで落ち着くことができるというのは、皆様も御存知かと思います。
より学術的に言えば、息を吸うと交感神経が活性化、息を吐くと副交感神経が活性化するという身体のメカニズムがあります。
これにより、交感神経も副交感神経もバランス良く活性化させることができます。端的に言えば「元気」になることができるわけです。
ただし、深呼吸については、5秒吸って、5秒吐くというように、ゆっくりとした腹式呼吸が重要となります。
特に息を吐く方に意識を向けて、よりゆっくりと吐くことが大切です。
また、深呼吸中は「息をしている自分」に注意を向け、腹式呼吸で膨らんだり、引っ込んだりするお腹に意識を向けることも大切です。
身体の変化に注意を向けることで、他の事柄に注意が向けられることがなくなり、イライラした気持ちや不安感などに振り回されることが減少します。
笑いや笑顔はポジティブな感情と関連する表情・行動です。
そして、笑いや笑顔は私たちにとって、重要なコミュニケーション手段の1つでもあります。
そのため、心理学では、生理心理学や感情心理学、社会心理学などの観点から笑いや笑顔についての研究が実施されています。
研究の結果、私たち人間は、特に面白いことや楽しいことがなくても、顔の表情が笑顔の状態になっているだけで、ポジティブな感情が発生することが判明しています。
また、他者の笑顔にも脳や神経が反応することも判明しており、メンタルヘルスにおいて、他者の笑顔が効果的なものであることも判明しています。
精神科医・心療内科医などが患者に日記をつけるよう指示することもあり、筆記療法という心理療法も確立されています。
実は「声に出す」ことよりも「文章にする」ことの方が高次の認知処理を必要とするため、いわゆる「頭の中の整理整頓」が、より論理的に実施できるとされています。
また、その過程でストレス低減が発生することも判明しています。パソコンが開発・普及する以前は、鉛筆等の筆記用具による文章化が筆記療法の手法でしたが、現在では、パソコンのキーボード入力やスマートフォンによるフリッカー入力による文章化も同様に実施されています。
筆記療法は「書いたものを誰かに見せる」ということを前提にしていますが、単純に「自分の考えや気持ちを書き出す」というだけでもストレス軽減効果があります。
そのため、思考や感情を中心とした日記をつけるということだけでも、メンタルヘルスのセルフケアを実施することができます。
休養をとって安静にすることは、心身の健康にとって非常に重要です。
人間の身体が安静でリラックスしているかどうかを確認する指標には、脳波のα波や副交感神経などがあります。
生理心理学の研究の結果、人間は目を閉じるだけでも脳波はα波が多くなるということが判明しています。
α波はリラックスした状態で多くなるものですが、それが目を閉じるだけでも発生するのです。
私たちは五感であらやる外界の情報を収集し、それを脳で分析しています。
五感の中でも、私たちは特に目から入ってくる情報に非常に頼っているため、目から大量の情報を収集・分析しています。そのため、目をつぶるだけで、入ってくる情報が制限されるため、リラックスすることができるわけです。
また、座ったり、横になったりするだけでも、血圧が低下することが判明しています。
これも簡単にリラックスできる方法の1つです。
そして、最も重要なリラックスの方法は、やはり睡眠です。
睡眠はあらゆる心身の疾患と関連することが判明しています。
しっかりと睡眠をとることで、副交感神経が優位になるタイミングがしっかり確保できます。
それによって、反動(バランス)で交感神経も活性化することになり、自律神経が活性化し、いわゆる「元気」な状態になることができます。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
「つぶやきコラム」は、医療・福祉・心理学・メンタルケアの通信教育スクール「TERADA医療福祉カレッジ」が運営するメディアです。
医療・福祉・心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、調べたいことがある、学んでみたい人のために、学びを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。