【目次】
・ 日本の記念日
日本には365日の全てに何らかの「記念日」が制定されています。4月29日は「昭和の日」に制定されています。昭和の日は国民の祝日の1つであり「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを趣旨としている記念日・祝日です。また、ゴールデンウィークに含まれる休日でもあります。
1989年1月7日の昭和天皇崩御の後、それまでの「天皇誕生日」であった4月29日を昭和天皇が生物学者であり自然を愛したことから「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日として「みどりの日」となりましたが、さらにその後、多くの国民の要望を受けて「昭和の日」に改称することとなり、法律案が超党派の国会議員により提出され、2度の廃案の後に2005年に成立し、2007年から4月29日は昭和の日に改称されました。ちなみに「みどりの日」は5月4日に日付が変更となっています。
では、昭和と心理学には、どのような関係があるのでしょうか。昭和は「激動の時代」とよく言われていますが、日本の心理学の歴史においても、昭和は重要な時代であったと言いえるでしょう。本コラムでは、そんな昭和に起きた様々な心理学の重要な出来事をいくつかご紹介したいと思います。
・1926年(昭和元年):
慶応義塾大学に心理学実験室が完成・「心理学研究」創刊・「教育心理研究」創刊
・1927年(昭和二年):
日本心理学会設立・第1回 日本心理学会大会開催(旧東京帝国大学)
同志社大学に心理学専攻設置・立教大学に心理学専攻設置
・1931年(昭和六年):
応用心理学会 第1回大会開催
・1932年(昭和7年):
早稲田大学に心理学専攻設置・海軍技術研究所内に実験心理班設置
・1933年(昭和八年):
「精神分析」創刊・田中秀雄がラジオ放送を利用した知能検査実施・動物心理学会設立
日本法医学会 第18回大会において血液型とパーソナリティ(性格)の関係性に関する
論争が勃発
・1934年(昭和九年):
「実験心理学研究」創刊・「動物心理」創刊・関西大学に心理学専攻設置
・1941年(昭和十六年):
日本心理学会・応用心理学会・関西応用心理学会・精神技術協会が統合されて、
心理学会となる
・1942年(昭和十七年):
千葉胤成が満州心理学会を設立
・1945年(昭和二十年):
復興第1回 日本大学心理学会開催
・1946年(昭和二十一年):
戦後初の応用心理学会の定期大会開催・心理学会が日本心理学会に改称
・1947年(昭和二十二年):
田中寛一が田中 – ビネー式知能検査を開発・戦後初の日本心理学会開催
児童福祉法施行
・1949年(昭和二十四年):
日本グループ・ダイナミックス学会設立・
・1950年(昭和二十五年):
応用心理学会が日本応用心理学会に改称・臨床心理学研究会設立
・1951年(昭和二十六年):
内田勇三郎が内田 – クレペリン精神作業検査を開発
・1952年(昭和二十七年):
日本教育心理学協会設立・「臨床心理」創刊
・1953年(昭和二十八年):
矢田部達郎が矢田部 – ギルフォード性格検査(Y-G性格検査)を開発
「教育心理学研究」創刊
衆参両院で指導教諭(カウンセラー)設置に関する建議案採択
・1956年(昭和三十一年):
文部省が初の全国学力調査
・1957年(昭和三十二年):
「心理学評論」創刊
・1959年(昭和三十四年):
一般財団法人 日本カウンセリング・センター設立・日本教育心理学会設立
・1960年(昭和三十五年):
日本社会心理学会設立・「社会心理学年報」創刊
・1962年(昭和三十七年):
「臨床心理研究」創刊
・1963年(昭和三十八年):
「犯罪心理学研究」創刊
・1964年(昭和三十九年):
日本臨床心理学会設立
・1967年(昭和四十二年):
心理技術者資格認定委員会設立総会開催
・1970年(昭和四十五年):
日本産業カウンセラー協会認可
・1972年(昭和四十七年):
第20回 国際心理学会議開催が東京で開催される
・1975年(昭和五十年):
第1回 コミュニティ心理学会 シンポジウム開催・「行動療法研究」創刊
・1979年(昭和五十四年):
第1回 「心理臨床家のつどい」が開催
・1981年(昭和五十六年):
日本基礎心理学会設立
・1982年(昭和五十七年):
日本心理臨床学会設立・日本人間性心理学会設立・日本交通心理学会設立
・1983年(昭和五十八年):
日本行動分析学会設立・日本生理心理学会設立
・1984年(昭和五十九年):
日本家族心理学会設立
・1985年(昭和六十年):
産業・組織心理学会設立・「社会心理学研究」創刊
・1986年(昭和六十一年):
日本臨床心理士資格認定協会設立準備委員会設立
・1988年(昭和六十三年):
日本健康心理学会設立・臨床心理士制度発足
・1989年(昭和六十四年):
日本発達心理学会設立・臨床心理士会発足
このように昭和の時代において、日本の心理学は現在の基盤となるような多くの学術団体や研究・理論・検査・資格などが誕生した重要な時代であったと言えるのではないでしょうか。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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