最近、話題になっている治療アプリと心理学にはどのような関係があるのでしょうか。
日本には365日の全てに何らかの「記念日」が制定されています。
8月21日は「治療アプリの日」となっています。
これは株式会社CureAppが制定したもので、同社の「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」が厚生労働省より製造販売承認(薬事承認)を取得したのが2020年8月21日であることが由来となっており「治療アプリの日」は2020年に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。
最近、スマホアプリを活用したメンタルヘルスのマネジメントやストレスケア、心理カウンセリングなどが急速に進んでいます。
直接的な治療のためのものは少ないですが、主に心理アセスメントとしての側面から活用されているものが多いです。
メンタルヘルス関連のスマホアプリの代表的なものとして、睡眠に関するものが挙げられます。
睡眠は健康全般にとって非常に重要ですが、特にメンタルヘルスにとってキーワードとなることが多いものです。
スマホアプリによる睡眠関連のものとして、睡眠日誌アプリがあります。
睡眠日誌アプリは最も古典的な手法で、基本的には“紙と鉛筆”があれば成立するものだったものを、アプリ化したものです。
基本的な構造は、1時間を1マスで表記されているシートに日中の活動内容、何時に就寝し、何時に起きたかを記録していきます。
また、起床直後にどれくらいぐっすり眠れたか、起き抜けの気分はどうか等についても記録したり、夢を見たかどうか等も合わせて記録するものもあります。
睡眠日誌アプリは、あくまで主観的評価でしかありませんが、ある程度の精度で自分の睡眠の状態を把握することができます。
睡眠に関するアプリには、スマートフォンには、ほぼ必ず備わっている機能である、加速度計とマイクを利用したものがあります。
加速度計は端末を持っている人が、どちらを向いているのか、どれくらい動いているのかを明らかにするものです。
マップ上での自分の向きや、万歩計機能などは、この加速度計が活用されています。
マイクに関しては、一般的に電話などの音声コミュニケーションの際の集音装置として活用されています。
こういったアプリは、アプリを起動させた状態で枕元など自分の身体の近い場所に端末を置きます。
就寝中に身体が少し動いたり、寝返りを打ったりすると、加速度計はその振動をキャッチします。
また、マイクも身体が動いた際に発生する音をキャッチします。
さらに、マイクの場合はいびきや呼吸の音もキャッチすることができます。就寝時の身体の動きや・寝返り・呼吸・いびきは間接的に睡眠の質を把握する指標になるので、睡眠アプリでは、こういったデータから睡眠を判断・評価することができます。
データの記録はアプリが自動的に行うので、小まめに日誌を書いたりする必要がなく、こういったアプリは利便性の高いツールだといえます。
スマート・ウォッチと連動した睡眠アプリもあります。
スマート・ウォッチは手首に装着することで、脈拍や血圧などのバイタルデータを測定することができます。
睡眠段階の変化に応じて脈拍や血圧も変化するので、これらのデータを解析することで、睡眠の質を把握することができます。
また、加速度計やマイクの機能が付属している場合、就寝時の身体の動き(寝返り)や呼吸・いびき等についても把握可能です。
スマート・ウォッチは複数の機能を組み合わせることで、脳波に準じた睡眠段階まで判定できるものもあります。そして、睡眠の状態を測定・評価し、その結果をスマホアプリで表示したり、データの管理をすることができます。
このように、睡眠に関するアプリだけでも様々な種類があります。
ただし、これらのアプリは「使うと睡眠の質が良くなる」「使うと不眠が解消される」というものではありません。
あくまで、睡眠の状態を把握するための手がかりとして利用しながら、その結果を心理カウンセリングなどで活用していくことが重要なのです。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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