ヘルマン・エビングハウスは1850年1月24日生まれのドイツの心理学です。
エビングハウスはドイツの様々な大学で心理学を学び、ボン大学で「無意識の哲学」に関する論文を書いて博士号の学位を取得しました。
その後、エビングハウスは心理学者のフェヒナーの著書の影響を受けて、記憶の測定に関する研究を実施するようになりました。
エビングハウスは自分自身を実験参加者として、1879~80年と1883~1884年に記憶に関する様々な実験を行いました。
エビングハウスは記憶の研究の過程で、1つの問題に直面しました。
それは、覚えている、忘れてしまうという現象を確認するためには、今までに見聞きした単語などでは、そもそもの使用頻度や親しみの程度などの影響を強く受けてしまいます。
これでは、単に覚えにくい単語だったから忘れてしまったのか、人間の記憶の能力の限界として忘れてしまうことになったのかが分かりません。
そこで、エビングハウスは今までに誰も見たこと・聞いたことがない、そして何の意味も持たない単語を作りました。
これは無意味綴りとよばれるものです。
たとえば「YAW」や「NOG」など(日本語であれば「ヌメヒ」・「ハソフ」など)のようなものです。
これらの無意味綴りを用いた実験により、人間の記憶、特に忘却に関するメカニズムが明らかとなりました。
人間が物事を忘れていってしまう過程はエビングハウスの忘却曲線として示されています。
エビングハウスは一連の記憶に関する研究結果をまとめ、1885年に「記憶について」という書籍を出版しました。また、エビングハウスは「エビングハウスの錯視」という錯視図形を考案したことでも知られています。
カール・ロジャーズは1902年1月8日生まれのアメリカの心理学者です。
ロジャーズは厳格なプロテスタントの家庭に育ち、農学や史学、神学と多様な領域を学びました。
その後、1931年にコロンビア大学で教育心理学と臨床心理学の学位を取得しました。
学位取得後、ロジャーズは児童相談臨床に携わり、ロチェスター児童虐待防止協会研究部長を務めました。
また、オハイオ州立大学やシカゴ大学等で心理学の教育と研究に従事しました。
ロジャーズは仕事の一環として、非行少年の面接を担当していました。
その際、少なくとも非行少年の面背には、当時行われていた精神分析療法を中心とした手法が非行少年の再犯防止にあまり役立たないという経験しました。
そこで、ロジャーズは独自の人間観に立った新しい心理療法を展開していきました。
1942年に「カウンセリングと心理療法」という書籍を出版し、その中で既存の指示的療法とは正反対の治療観を示しました。
これは、当時、大きな議論を巻き起こしました。
ロジャーズが提唱したのは非指示的精神療法とよばれ、後にクライエント中心療法(来談者中心療法)と称されるようになりました。
来談者中心療法は、あくまで傾聴の態度でクライエントに接することを前提とし、無条件の肯定や受容を基本的な態度・技法としてカウンセリングを進めていくものです。
来談者中心療法は現在でも心理カウンセリングの基本中の基本として、まず最初に学ぶものであり、どのような症状を示すクライエントに対しても、インテーク面接では来談者中心療法によるアプローチからスタートすることが多いものです。
来談者中心療法を創始した業績から、ロジャーズは1982年にアメリカ心理学会によるアンケート調査で「最も影響力のある10人の心理療法家」において、第1位に選ばれました。
また、ロジャーズは1968年以降、人間研究センターでエンカウンター・グループの理論的解明と実践に力を尽くしました。
そこで、実証科学的方法論を用いて、人間の自己成長のあり方を検討したことも、ロジャーズの大きな功績の1つです。
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